こんにちは、Webライターの藤崎 彩です。
あなたは日常生活の中で、
- 人混みにいるとすごく疲れる
- 職場に機嫌が悪い人がいると「自分が何かしてしまったのではないか」など気になってしまう
- 大きい音や、眩しい日差しなどに敏感である
- ちょっとしてことで落ち込みやすい
などを感じ、疲れやすかったり生きづらく思っていませんか?
それはあなたが「HSP」だからかもしれません。
HSPとは、「敏感で繊細な性質を持った人」のことです。
世界の5人に1人の割合で生まれながらに持っている気質と言われています。
最近日本でもHSPが話題となり、「繊細さん」などと呼ばれ、「私もHSPです」と公表する人が増えています。
何を隠そう、私もこのHSPの性質を強く持っています。
HSPだからこそ出来ること、逆に苦手なことなど色々と知っていく中で、やっと少し「自分」というものを理解できた気がしています。
それまでは「生きづらい世の中をなんとか生きている」状態でした。
もしあなたが今、「人間関係が辛い」「生きることが苦しい」と悩んでいるのなら、HSPの性質を持っているからかもしれません。
あなたはHSPではなくても、家族や友人、愛する人がHSPの性質を持っている可能性もあります。
この記事を通して、自分や周りの人をより深く知るキッカケになったら嬉しいなと思います。
Contents
HSPとは?
HSPとは、「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)」の頭文字をとったもので、「人よりも敏感で繊細な性質を持った人」のことです。
[su_note note_color=”#fffde3″]性質(せいしつ)
1 もって生まれた気質。ひととなり。たち。「温厚な性質」
2 その事物に本来そなわっている特徴。「燃えやすい性質」「すぐに解決がつくという性質の問題ではない」
goo辞書より引用[/su_note]
1996年にアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、全人口の15~20%、約5人に1人はHSPと考えられています。
その中でも日本人は、協調性や謙遜を重んじる国民性により、海外よりもHSPの人が多い傾向にあります。
また、HSPの性質を持つ子供は、HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれています。
HSPは生まれ持った気質
HSPは、教育や環境によってなる後天的な要素でなるものではなく、生まれ持った気質です。
ハーバード大学の心理学者 ジェローム・ケーガン博士の調査によると、HSPは新生児のときから刺激に対し強い反応を示したといいます。
ケーガン博士は、生後4ヶ月の赤ちゃん500人を対象に、録音した音声を聞かせるなど、さまざまな刺激を与えて反応を観察する実験を行いました。
その刺激に対して、5人に1人の赤ちゃんが泣いたり手足を動かして暴れたりするなどの激しい反応を示しました。
博士は、この赤ちゃんたちを「激しく反応する子」と呼び、その子たちが2歳、4歳、7歳、11歳になったときに再び招集し追跡調査を行いました。
乳児期に激しい反応を示していた子は、相変わらずほかの子に比べて新しい刺激に強い反応を示しましたが、その反面、人生についてより深く考え、静かで内省的な子に成長したと言います。
このように生後4か月の時点で、すでに人間の性向はある程度決定づけられていることが分かりますね。
脳の神経システムの違い
HSPは、人間の感情を司る脳の「偏桃体(へんとうたい)」と言われる部分の動きが生まれつき活発なために、刺激に敏感だと言われています。
HSPの提唱者、アーロン博士が大人のHSPの脳をCTスキャンで撮り、刺激に対する反応を研究しました。
研究内容は、18人の被験者に、「嬉しそうにしている人」と「悲しそうにしている人」の顔写真をそれぞれ見せながらCTスキャンを撮るというもの。
その結果、共感を司る脳の領域が、他の被験者よりもHSPの方がより活発なことがわかりました。
また、同じストレスにさらされたとき、脳内にノルエプネフリンという神経の高ぶりの際に分泌される物質や、警戒しているときに分泌されるホルモンであるコルチゾールが多く分泌されるという研究結果も出ています。
HSPは他の人よりも、ポジティブなものもネガティブなものにも影響されやすく、ストレスを感じやすいことが分かります。
HSPは生き残るための戦略の一つ
HSPの性質は人間だけでなく、ネズミやネコ、イヌ、サルなどの高等動物の一定数有していることが分かっています。
刺激に対して「より敏感に反応する」高等動物の割合は、人間と同じで全体の15〜20%です。
慎重で刺激に敏感な個体が生まれた背景には、種として生き残り、環境に適応するための生物学的な生存戦略ではないかと考えられています。
「かくれ繊細さん」 HSS型HSP
実は、HSPの中には外交的なHSSと呼ばれるタイプもいます。
HSSとは、High Sensation Seekingの頭文字をとった略称で、「刺激探求型」と言われています。
好奇心が旺盛で、刺激を求める外交的でありがながら、実は繊細で思慮深いという性質を持っています。
つまり、「静」と「動」、「ブレーキ」と「アクセル」といった矛盾した性質が共存している状態といえます。
例えば、新しいお店ができたらすぐに行ってみたり、思い立ったままフラっと一人旅をしてみたりと行動的な反面、実は行くまでに細部まで調べて考えていたり、すぐに刺激のキャパを超えて疲れやすかったりします。
このタイプは、周りからはアクティブに思われることが多く、実は繊細であることには気付かれないため、「かくれ繊細さん」などとも呼ばれています。
HSP気質を持つ人の約30%がHSS型HSPに該当すると言われていて、これは人口の約6%になります。
左利きやAB型やの人口が約10%であることを考えると、かなり少数派であることがわかりますね。
HSPと病気の違い
ADHD(注意欠陥多動性障害)やADD(注意欠陥障害)、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)といった発達障害などの病気と思われることも多いHSPですが、明確な違いがあります。
HSPは「神経の伝達システムの反応が人とは違う」ため生きづらさを感じる「性質」であり、発達障害は「脳機能の発達バランスが人とは違う」ため、生きづらさを感じる「障害」です。
とはいっても、ADHDやADDなどの発達障害と似ている症状はあります。
例えば、「刺激への感受性」や「刺激の受けやすさ」、「処理の深さ」などは、ADHDやADD、ASDなどとの共通点がみられます。
発達障害は、集団での生活、例えば落ち着いて座っていれなかったり、忘れ物が多かったりといった「集団での生活」に支障が出るのに対して、HSPは集団での生活に対して困難というわけではなく、ただ「人に比べて刺激を受けやすく物事を深く受け止めてしまう」ということです。
ただし、受けた刺激に対して適切に対処していかないと、うつ病や適応障害などの病気を発症してしまう可能性があります。
HSPセルフテスト
HSPにはいくつかの基準があります。
HSPを提唱したエレイン・N・アーロン博士の著書『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』にあるセルフテストで、あなたのHSP度合いを調べてみましょう。
次の22個の質問に感じたまま答えてください。
どちらかといえば当てはまる場合は「はい」、全く当てはまらないか、ほぼ当てはまらない場合は「いいえ」で答えてみましょう。
[su_note note_color=”#fffde3″]1. 自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2. 他人の気分に左右される
3. 痛みにとても敏感である
4. 忙しい日が続くと、ベッドや暗い部屋など、プライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる
5. カフェインに敏感に反応する
6. 明るい光や強い臭い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
7. 豊かで複雑な内面世界を持つ
8. 騒音に悩まされやすい
9. 美術や音楽に深く心を動かされる
10. とても誠実である
11. すぐ驚いてしまう
12. 短時間にたくさんのことをしなければならない場合、混乱してしまう
13. 人が何か不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐ気づく
(例えば電灯の明るさを調節したり、席を替えたりするなど)
14. 一度にたくさんのことを頼まれるのが嫌だ
15. ミスをしたり、忘れものをしたりしないよういつも気をつけている
16. 暴力的な映画やテレビ番組は観ないようにしている
17. あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
18. 生活に変化があると混乱する
19. 繊細な香りや味、音楽を好む
20. 普段の生活で、混乱や動揺を避けることに重きを置いている
21. 仕事をするとき、競争させられたり観察されていると、緊張していつも通りの実力を発揮できなくなる
22. 子どもの頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた[/su_note]
いかがでしたか?
このセルフテストで12個以上が「はい」ならば、おそらくあなたはHSPでしょう。
しかし、たとえ「はい」が1つか2つであっても、ものすごく当てはまるのであればHSPといっていいでしょう。
HSPの4つの特徴「DOES」
アーロン博士によると、HSPと定義付けるため判断基準として「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴全てに該当していることをあげています。
1.深く受け止める(Depth)
1つ目の特徴は、「物事を深く受け止め、考える傾向」があることです。
1つのことを聞いて起こりうるあらゆる可能性を考えたり、誰かの何気ない一言を深く受け止めてしまう、といったことです。
他にも、
- あらゆることを想定する
- 人の言葉の意味を深く捉える
- 考えてから行動するため、物事を始めるのに時間がかかる
- 軽はずみな行動はしない
- 配慮が足りず浅はかな人を理解できない
などの特徴があり、そのためスピードや競争を求められる環境が苦手な傾向にあります。
2.刺激に敏感・反応が大きい(Overstimulated)
2つ目の特徴は、「刺激に敏感で反応が大きい」ことです。
HSPは、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感から入ってくる刺激に過剰に反応します。
また、人間関係においては、相手の言葉や気分・機嫌やその場の空気にも敏感です。
具体的には、
- 大きな音が苦手
- 驚きやすい
- 明るい部屋や光が苦手
- 嫌いな匂いを嗅ぐと頭が痛くなる
- 痛みに弱い
- 人に会うと疲れる、人混みにいると疲れる
など、日々生活している中で起こる様々な事象に敏感に大きく反応します。
どの感覚が鋭いかは人によって違ってきますが、私の場合特に大きな音や人混みが苦手です。
例えば、職場で扉をしめる音などの生活音が大きかったり、キーボードを強く叩く人が近くにいると、音が気になってしまって集中することが難しいことがあります。
また、銀座や新宿といった人混みの多い中を少し歩いているだけでもすぐに疲れてしまって、カフェなどで休憩をする回数が多かったり、家に帰ってくるとぐったりとしてしまう、なんてこともよくあります。
そのためHSPには、自分が安心して過ごすことが出来る環境作りが必要となります。
3.感情反応と共感 (Emotionally responsive and Empathy)
HSPの3つ目の特徴は、「感情反応と共感」、つまり共感能力が高く、感情移入しやすい傾向があります。
- 映画や本の内容に共感して感動して泣くことが多い
- 誰かが怒られていると、自分のことのように感じてしまう
- 人のしぐさなどのサインに敏感で、その人の機嫌や考えていることが分かる
など、HSPの人は、いわば常に高い感度のアンテナを張り巡らせてさまざまな情報をキャッチしつづけている状態なんです。
感受性が豊かで、それを表現するのが上手な人が多いので、アーティストや芸能人にも多いと言われています。
その反面、無意識のうちなんとなく感じ取っているものにまで心が動かされて、その思いに入り込んでしまうため、刺激量が許容範囲をあっという間に超えてしまい、疲れやすい傾向にあります。
感受性の豊かさと共感能力の高さを生かしつつ、過剰に刺激を受けたときに休める環境を用意しておくことで早く回復できるようになります。
4.ささいな刺激に反応する敏感さ(Sensitive to subtle stimull)
HSPの4つ目の特性は、「ささいな刺激に反応する敏感さ」つまり、繊細な感覚を持っていることです。
例えば、
- ささいなにおいが気になり気分が悪くなる
- 室外機の音が気になって集中できない
- 強い光が苦手で薄暗いくらいの方が心地がよい
- チクチクする服や肌触りの良くない布などが苦手
- カフェインあるいは薬剤に過敏に反応する
など、非HSPの人があまり気にならないような些細な感覚に敏感です。
そうした自分が反応しやすい刺激から身を守る工夫が大切です。
HSPを公表している有名人
表舞台で活躍している芸能人や有名人にも、HSPの人は実はたくさんいます。
その中から、HSPを公表している4人をご紹介します。
田村淳さん
お笑いコンビ ロンドーブーツ1号2号の田村淳さんは、心理カウンセラーの先生に「HSP」と言われた事を自身のTwitterで告白しています。
いつも楽しく前向きに見える淳さんに、意外だなと思った人も多いのではないでしょうか?
けれど、HSPの特性を持っているからこそ、場の雰囲気などを感じ取って進行していくバラエティー番組の司会もこなせているんだなと感じますよね。
ATSUSHIさん
EXILEのメインボーカルとして活躍し、現在は第一線からは退きソロ活動に専念しているATSUSHIさんも、自身の著書『サイン』の中でHSPである事をカミングアウトしています。
私は初期の頃のEXILEが大好きでしたが、ATSUSHIさんがHSPだと聞いて妙に納得しました。
ATSHUSHIさんの書く歌詞や、歌い方などを見ていて、そんな感じがしていたのかもしれません。
これからも益々活躍して欲しいですね。
最上もがさん
2011年に『でんぱ組.inc』のメンバーとしてデビューし、2017年に脱退、現在はシングルマザーとして一児の母である最上もがさんも、HSPを告白した一人です。
2020年に自身のYouTubeチャンネルの生配信の中で、HSPである事をカミングアウトしました。
お顔は以前から知っていましたが、このYoutubeで初めて話しているのを見て、とても可愛らしくて素敵な方だなと思いました。
なんだか応援したくなりますね。
現在は、「生きやすさを模索中!」とのことで、無理せず頑張って欲しいですね。
大木亜希子さん
元SDN2012年までSDN48で活躍し、現在はライターやコラムニストとして活躍する大木亜希子さんもHSPである事を公表しています。
対談記事はこちら→『人一倍繊細なHSPが自分を知って楽になる方法 武田友紀×大木亜希子「私は私のままでいい」』東洋経済オンライン
上記の記事を読みましたが、ご自身のHSPの実体験には共感しました。
HSPながら競争の激しいアイドルグループで活動されていたのは、個人的にとてもすごいなと思います。
この他の芸能人や有名人で、HSPであることを公表していないものの、特性を持っていると思われる人が結構います。
HSPは繊細で感覚が敏感で、音楽や芸術などの感性が鋭い人が多いので、芸能人など芸事で身を立てていく職業の人に多いのも納得ですよね。
HSPが感じる生きづらさ
HSPの人は、周りと比べて敏感や繊細であることを悪く捉えて、自己評価を下げてしまいがちです。
そして、自己評価を下げ始めると、物事を深く考えすぎる特性も相まって、ネガティブな感情にとらわれてしまいます。
私も20代の頃は、漠然と「生きづらいな」と感じていました。
常に「人生の荒波の中で、生きることに必死にしがみついているような感覚」があり、感情の渦の中でアップアップともがき苦しんでいる感じです。
パートナーの言った一言にとらわれてネガティブに考え込んではケンカになったり、親に「繊細だ」「打たれ弱い」と言われて「なんで私はこんなに弱いんだろう」と落ち込み、強く見せようと無理に頑張ってみたり…
日常生活の「ちょっとした気になること」が次々に押し寄せてきては、その度に深い海底に沈み込むように深く考え込む、を繰り返しているうちに自分自身に疲れ果ててしまうんです。
こうしたネガティブな感情に支配され続けると、負のスパイラルに入って抜け出せなくなり、うつ病や適応障害を発症しやすくなります。
HSPという生まれながらの特性を変えることが難しいですが、もっと楽に生きられる方法はないのでしょうか?
HSPが楽に生きるための対処法
では、HSPの人が少しでも楽に生きるための対処法をご紹介していきます。
HSPの対処法1.日常の刺激
日常的にさまざま刺激を受けやすいHSPは、五感を休めることが大切です。
視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の中で、特に自分が鋭いなと思う感覚から対処していくと効果的です。
視覚への刺激
予防法 | ・伊達メガネをかける・サングラスをする・メガネやコンタクトの度を落とす |
対処法 | ・部屋を暗くする・アイマスクをする・寝室のものを減らす |
聴覚への刺激
予防法 | ・耳栓をする・ノイズキャンセリングイヤフォンをする・イヤフォンで好きな音楽を聴く |
対処法 | ・静かな場所で休む・落ち着く音楽を流す |
触覚への刺激
予防法 | ・心地よい素材の洋服をきる・肌の露出を減らす・お気に入りのアクセサリーをつける・明るい色の服を着る |
対処法 | ・肌触りの良い部屋着を着る・ふわふわの毛布など心地の良い素材にくるまる |
嗅覚への刺激
予防法 | ・好きな香りの香水やハンドクリームをつける・マスクをする |
対処法 | ・自分の好きな匂いのアロマをたく・好きな匂いのシャンプーやリンス、柔軟剤を使う |
味覚への刺激
予防法 | ・添加物の少ない食べ物を買う |
対処法 | ・シンプルな食べ物を食べる |
このように、自分の鋭い感覚を、刺激から守るような習慣や休息方法を持っておくと、日常が過ごしやすくなります。
私は特に視覚と聴覚の刺激が強いので、寝る前に間接照明をつけて部屋を暗くし、ボーっとすることで気持ちが落ち着きます。
また、カフェで流れるようなジャズ音楽も好きで、休みの日や記事を執筆するときなどは、Youtubeでお気に入りの音楽を流すことで癒されています。
HSPの対処法2.人間関係
HSPの人は、相手のしぐさや表情から感情を察して細やかに配慮したり、その場の雰囲気を敏感に感じとること、深く共感しながら話を聞くことが得意である反面、気を遣いすぎたり自分の意見を言えないなどのストレスを抱えやすくなります。
それが積み重なって、自己肯定感が低くなり、自分に自信がもてない人が多くいるんです。
生きている以上人との関わりは必ずありますし、自分と同じような感覚を持つ人ばかりではないので、ストレスはつきもの。
このストレスという敵から、自分自身で防衛戦を張って守っていくことが大切です。
具体的な対処方法は、
- みんなが自分と同じ感覚ではないことを知る
- 1人でゆっくりする時間をつくる
- 自分の心の声に耳を傾ける
- 苦手な相手には近づかない
- 心の中や、物理的な物で、相手と自分との境界線を作る
- 人に頼る
などがオススメです。
特に、「みんなが自分と同じ感覚ではないことを知る」ことだけでも、結構楽になります。
私はHSPと気付くまで、自分とは感覚が違う人に対して「なんでこんなことするんだろう?」「普通ならこれに気付かない?」などと怒りやストレスを溜めていました。
頭では「人は自分と同じではない」と分かっていても、人の気持ちやその場の雰囲気を察したりといったHSPの特性が、誰にでも備わっている「普通の感覚」だと思っていたんです。
これらがHSPの特性だと知り、相手に求めることをやめたことで、とても楽になりました。
それと同時に、意識的に相手との境界線を作ったり、苦手な人には近づかないようにしたり、人に頼ってみたり…
自分の心の声にフォーカスし耳を傾けることを意識的に行っていくうちに、ストレスを溜めることが少なくなりました。
ぜひ、自分に合った対処法を見つけてみてください。
HSPの対処法3.仕事
HSPの人は、よく気が付きまじめな人が多いので中途半端な仕事ができません。
気が付いたすべてのリスクに対処していくので、業務の効率が悪かったり、複数のことを同時することが苦手です。
また、頼まれた仕事を断ることも苦手で損な役回りを負わされたり、周囲に機嫌の悪い人がいると緊張し、怒られている人のことまで気になって…働いているだけで心が苦しくなることばかり。
そうした仕事でのストレスを減らすためには、前述した人間関係での対処方法と一緒に、以下のことも意識してみるといいでしょう。
- マルチタスクをシングルタスクにする
- アイ(I)メッセージで伝える
- 断る練習をする
- 苦手な人には極力近寄らない
- 休憩時間は一人でゆっくり休む
特に「次から次へと仕事を頼まれてしまう」という人は、「Iメッセージで伝えること」と「断る練習をすること」を意識してみると、心に余裕が持てるようになります。
>Iメッセージについてはこちらの記事を参考にしてください。
>断る練習については、こちらの記事を参考にしてください。
また、HSPに向いていると言われている仕事に転職を考えてみるのもオススメです。
HSPに向いている仕事
- 正確さが求められる仕事
- 専門性の高い仕事
- クリエイティブな仕事
- 人の心や体をケアする仕事
- 動植物や自然と関わる仕事
- 人との交流が限定的な仕事
- 競争の激しくない仕事
何より、自分がどのような仕事が向いているのか、どのような職場環境なら安心して働けるのかをじっくり考えることがHSPにとっては重要です。
自分にはどのような職場が合っているのかが理解できたことで、遠回りすることがなくなりました^^
HSPの対処法4.恋愛
HSPの人にとって、恋愛は大きな悩みの1つです。
なぜなら、人間関係の中でも特に親密な関係を築かなければならないからです。
特に恋愛中は自己肯定感が下がりやすいもの。
相手の些細な言動が気になって思い悩んでしまったり、相手の要求を断れなかったり、相手の気持ちを察してしまうあまりに自分の気持ちを言えなくなったり…
本当に恋愛って難しいですよね。
そんなHSPの人が相手との良好な関係を築き、自分も相手も穏やかに過ごせる関係になるためのいくつかのコツをご紹介します。
- 自分に合った人をよく考える
- 自分はどんなことをされたら嫌で相手とどう過ごしたいのかを伝える
- きちんと言葉で伝える(察してもらおうと考えない。相手の感覚で伝えてみる)
- 断る練習をする
- リフレッシュしたり打ち込めることを見つける
最初の「自分に合った人」というのを、意外に分かっていない人が多かったりします。
「自分にないものを持っている人に惹かれる」と思い、HSPの人とは正反対の「些細なことを気にせず、どんどん行動していく」ような人とお付き合いした場合、いつの間にか相手のペースに巻き込まれていて、気づいたら疲れ果てていた…なんてこともあります。
自分とは合わないタイプを前にしたHSPは、自分の思っていることが言えなくなったり、何でも受け止めてしまうために、悩みやストレスを抱えやすくなります。
そんな状態を避けるためにも、自分に合った人についてよく考え、好きなことや苦手なことを共有したり許容できる相手を見つけましょう。
また、HSPの人は、さまざまなことを敏感に察知する反面、相手にも同じような感覚を求めてしまいがちです。
「なんで察してくれないの」「言わなくてもわかるでしょ」と思っても、相手は分からない・気付かないことの方が多いんです。
なので、出来るだけ思ったことは伝えていくことが大切です。
HSPを深く理解するためのオススメ書籍・動画
HSPの特性をより深く理解するためのオススメの書籍や動画をご紹介します。
HSPの書籍
[su_note note_color=”#fffde3″] 『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』 エレイン・N・アーロン
『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するときーHSP気質と人間ー』 エレイン・N・アーロン
[/su_note]
HSPを提唱したアーロン博士の本です。
自身もHSPであるアーロン博士の経験や相談者からの話、実験結果を元に、あらゆる角度からフラットな視点で解説されています。
まさにHSPの指南書と言えます。
HSPについて深く知りたい人は、まず手にとってみるのをオススメします。
[su_note note_color=”#fffde3″]『敏感な世界に生きる敏感な人たち』 イルセ・サン[/su_note]
私がHSPを知るきっかけとなった本です。
この本を読み終わった後の衝撃は忘れられません。
日本語訳の違いのためか、アーロン博士の本より若干読みやすいな、と感じました。
アーロン博士の本よりもより具体的に知りたい人にオススメです。
[su_note note_color=”#fffde3″]『「繊細さん」の本「気が付きすぎて疲れる」が驚くほどなくなる』武田友紀[/su_note]
日本の心理カウンセラーである武田友紀先生の著書で、「繊細さん」ブームを巻き起こすきっかけとなった本です。
日本の社会生活の中で、HSPがどのように感じ、どう対処していけばいいかが具体的に書いてあり、HSPの人なら「そうそう」と納得することばかり。
HSPのことを気軽知りたい人、より日本の社会に合った具体的な対処方法を知りたい人にオススメです。
HSPの動画
オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、自身のYoutubeチャンネル『中田敦彦のYoutube大学』でHSPについて取り上げています。
武田先生の『「繊細さん」の本「気が付きすぎて疲れる」が驚くほどなくなる本』をとても分かりやすく解説している動画です。
中田さんが非HSPであることから、その観点から解説されているのもポイントです。
手軽にHSPのことが知りたい人、身近な人にHSPの人がいる人は、ぜひ観てみてください。
【おわりに】HSPである自分を理解して、上手に付き合っていこう!
HSPについて解説してきましたが、HSPは個性であり決してマイナスに捉えることではありません。
まずは、自分がHSPだと認識することだけでも、だいぶ気持ちが楽になります。
私はHSPだと知るまで、自分の中にあるモヤモヤの原因が分からず、人と違うことを攻めたり「私はおかしいんじゃないか」と思っていましたが、このモヤモヤが「HSP」という名前があるものなんだと知ったときに、すごくホッとしました。
「これが私の『性質』で、良いところも悪いところも私なんだ」と、生まれて初めて自分自身を知ったような安心感に包まれました。
あの感覚は今でも忘れません。
今「生きづらいな」「HSPかな?」と思っている人は、HSPについて知って、自分自身を労い癒してあげてください。
そうすることで、少しずつ生きづらさからも開放されていくはずです。
これまで相手や周りに合わせて、頑張ってきたHSPの皆さん。
今度はその頑張りを自分自身に向けてあげましょう。
ぜひできることから始めていってくださいね!